血が混じる便
血が混じる便(血便)に気づくと、とても不安になるものです。紙につく程度の少量の出血でも気になりますし、便の表面に赤い血がつく、便に血が混ざる、黒っぽい便が出るなど、出血の見え方によって原因が異なることがあります。実際には、痔のような比較的よくみられる原因から、大腸ポリープ、大腸がん、腸の炎症、胃や十二指腸からの出血まで、背景にある病気はさまざまです。だからこそ、「少しだけだから大丈夫」と自己判断せず、一度しっかり確認することが大切です。
血が混じる便は、消化管のどこかで出血しているサインです。鮮やかな赤い血であれば肛門や大腸の出口に近い場所からの出血が考えられますし、赤黒い便や黒い便であれば、より上の消化管からの出血が関係していることがあります。痛みがある場合もあれば、まったく痛みがなく、便潜血検査や見た目の変化ではじめて気づく場合もあります。症状が強くないため受診を先延ばしにしてしまう方もいらっしゃいますが、体からの大切なサインとして受け止めることが重要です。
なお、痔がある場合は血便や便潜血検査陽性の原因を痔のせいであると決めてかかっている患者さんがしばしばいらっしゃいます。直近3年以内に大腸内視鏡検査を行なっていないならば内視鏡検査を受けることを強くおすすめします。
血便の原因について
血が混じる便の原因はひとつではありません。比較的よくみられるものから、慎重に確認したい病気まで幅があります。
痔
もっとも身近な原因のひとつです。いぼ痔(痔核)や切れ痔(裂肛)では、鮮やかな赤い血がつくことがあります。排便時の痛みを伴うこともありますが、いぼ痔では痛みが目立たないこともあります。ただし、血便をすべて痔と考えてしまうのは危険です。
大腸ポリープ
大腸ポリープは自覚症状がないことも多いですが、便に血が混じるきっかけになることがあります。とくに大きくなったポリープでは、出血しやすくなることがあります。
大腸がん
血が混じる便の原因として、必ず確認しておきたい病気です。血便、便通異常、便が細くなる、体重減少などをきっかけに見つかることがあります。
炎症性腸疾患
潰瘍性大腸炎やクローン病など、腸に慢性的な炎症が起こる病気では、血便、下痢、腹痛を繰り返すことがあります。
感染性腸炎
細菌性腸炎で、強い下痢や腹痛とともに血が混じることがあります。発熱や全身のだるさを伴うこともあります。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍
胃や十二指腸にできた傷から出血すると、黒い便として現れることがあります。みぞおちの痛みや吐き気を伴うこともありますが、便の色の変化が最初のサインになることもあります。
検査
治療は、血が出ていることそのものに対して行うのではなく、その原因に応じて進めます。当院では、患者さまがどのような色の便だったか、どれくらい続いているか、腹痛や下痢があるかなどを丁寧にうかがいながら診療を進めています。
大腸カメラ検査
血が混じる便があるときに、とても重要な検査です。大腸の粘膜を直接観察することで、大腸ポリープ、大腸がん、炎症性腸疾患、出血源などを確認できます。当院では、楽に受けられる内視鏡検査を大切にし、できるだけ負担の少ない検査を心がけています。
胃カメラ検査
黒い便が出る場合や、みぞおちの痛み、吐き気を伴う場合には、胃や十二指腸からの出血を確認するために胃カメラが必要になることがあります。
血液検査
貧血の有無、炎症反応、栄養状態などを確認します。出血が続いていると、ヘモグロビンが低下していることがあります。
CT
炎症が強い場合や悪性を疑う場合などに精密検査として行います。
培養
下痢がある場合など、胃腸の感染を疑う場合は病原菌検索目的で検便を行います。
血が混じる便についてのよくある質問
Q1. 赤い血が少しついただけでも受診した方がよいですか
A1.血は大きな病気のサインです。痔・切れ痔など自己判断せず、かならず受診することが大切です。痔があっても大腸に大きな病気が隠れていることがあります。
Q2. 黒い便は食べ物のせいのこともありますか
A2. 食べ物や薬で黒っぽく見えることもありますが、胃や十二指腸からの出血のこともあります。見分けが難しいため、気になる場合はご相談ください。
Q3. 痛みがない血便でも大丈夫でしょうか
A3. 痛みがなくても、大腸ポリープや大腸がんなどが関係していることがあります。痛みがないから大丈夫とは言い切れません。
Q4. 便潜血陽性と血が混じる便は同じですか
A4. 便潜血は、目で見えない少量の血液が便に混じっている状態です。目で見える血便とは違いますが、どちらも大腸カメラなどで確認が必要になることがあります。
院長より
血が混じる便は、患者さまにとってとても不安の大きい症状です。一方で、恥ずかしさや忙しさから受診をためらってしまう方も少なくありません。実際には、痔のようによくみられる原因から、大腸ポリープや大腸がんのように早めの確認が大切な病気まで、背景はさまざまです。だからこそ、見た目の血便を体からのサインとしてきちんと受け止めることが大切だと、私たちは考えています。
あさがお内視鏡・消化器内科クリニックでは、総合内科専門医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医として、血が混じる便の原因を丁寧に見極める診療を行っています。楽に受けられる内視鏡検査を大切にしながら、その方に必要な検査と治療をわかりやすくご案内します。
