舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)について【効果・費用・種類・デメリット】

  • 花粉症などアレルギー症状が毎年ある方
  • 家にいると鼻水やかゆみなどのアレルギー症状がでる方
  • いつも抗アレルギー薬が手放せず、なんとかしたいと考えている方

などを対象に、一之江駅前ひまわり医院では舌下免疫療法を行っています。

舌下免疫療法とは?

舌下免疫療法は、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を毎日ゆっくり体内に吸収させることで、アレルギー反応を弱めていく治療法のことです。

100年以上前から行われているアレルゲン免疫療法(減感作療法)の1種で、主にアレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」がありましたが、近年では舌の下に投与する「舌下免疫療法」が登場し、自宅で治療できるようになりました。

舌下免疫療法がオススメの方

  • 3月から4月くらいに鼻水や眼のかゆみなどでお困りな方
  • 家の中にいると鼻や喉がムズがゆくなったり、ソワソワする方
  • ダニやスギ花粉が原因で抗アレルギー薬がなかなか手放せない方
  • 種々のアレルギー症状に関して、原因から治す「根本治療」を期待している方

正しく長期間治療をすると、アレルギー症状を治したり、長期にわたり症状を抑えられる可能性が高いです。また症状が抑えられない場合でも、症状をやわらげ、抗アレルギー薬を少なくすることが期待できます。

舌下免疫療法の効果は?

舌下免疫療法や海外では1986年に初めて報告され、ヨーロッパでは1993年からガイドラインに掲載されるようになり、以降安全性と有効性が示されている治療になります。

一方、日本では20年以上遅れて、2014年にスギ花粉症に対して、2015年よりダニ通年性アレルギー性鼻炎に対して保険適応になりました。その後2018年から小児患者にも普及が進んできています。

例えばスギ花粉症に対する効果は、

  • 薬を全く使用しなくても無症状となる、根治の例: 17.4%
  • 薬物療法と同以上の効果が期待できる例:60%
  • 無効な例: 8.7%

となっています。(参考:スギ花粉症舌下免疫療法の治療3年目112例の臨床効果

ダニアレルギーに関してもほぼ同等の結果となっております。

また、舌下免疫療法の効果は鼻や眼のアレルギー症状を抑えるだけではなく、新規アレルゲンの感作の予防効果があることが知られています。

ダニ通年性アレルギー性鼻炎の方に舌下免疫療法を3年から5年行った方は、15年後にダニ以外(花粉など)の新規アレルゲンに感作したのは5年施行群で11%に抑えられました(施行しなかった方は15年で100%新規アレルゲンに感作します)(詳細はこちら

さらに舌下免疫療法には喘息発症の予防効果があることも知られており、今後の発展性にも期待される治療法です(日本では喘息に対する舌下免疫療法の保険適応がまだありません。また重症の気管支喘息患者さんは受けられないので注意が必要です)(喘息への有効性の詳細はこちら

喘息の基本的な治療については、こちらも参照してください。

成人の気管支喘息について解説【治療法や吸入の仕方・日常生活の注意点】

舌下免疫療法の種類は?

2021年現在日本で認められている舌下免疫療法として

  • スギ花粉症: シダキュア®
  • ダニ花粉症: アシテア®・ ミティキュア®

があげられます。ハウスダストはアレルギーを引き起こすものの混合物で98%以上がダニです。つまり、ハウスダストアレルギーの原因のほどんどがダニなので、ハウスダストのアレルギーがある方は舌下免疫療法で症状が緩和する可能性が高いと考えられます。

アシテア®はミティキュア®の5.7倍多くダニが含まれる点で異なりますが、どちらがよいかはまだわかっていません。

スギ花粉症の舌下免疫療法であるシダキュア®はスギ花粉の飛散時期に始めることができません。アレルギー物質であるスギ花粉の飛散量が増えるので、体へ予想以上に吸収されてしまうからです。ご注意ください。(アシテア®・ミティキュア®はアレルギーが収まっていればいつでも開始できます)(スギ花粉症の治療ガイドラインはこちら

舌下免疫療法の治療の流れ

まずアレルギー検査や問診・身体診察など行い、アレルギー症状がスギやダニによるものかを含め診断していきます。(他院採血データを持参していただく方法でも問題ありません。アレルギー検査については下記も参照にしてください。)

血液アレルギー検査(VIEW-39、RAST)について解説 【費用・原理・信頼性】

その後、初回投与を薬によるアレルギー反応がでないか確認する目的で院内で行います。(当院では初回投与時のみ、系列である船堀トキビルにある「さくら医院」にお願いしております。その後当院で継続加療していきます。)

具体的には治療薬の錠剤を舌下(舌の裏)に置きます。錠剤は舌下ですぐ溶けますが、1~2分はそのままにしておき、そのあと飲み込みます飲み込んだ後の5分間は飲食やうがいができません。この治療を基本的に毎日行います。

初回投与から2週間は増量期、その後は3年以上定期的に通院していただきながら継続します。

副作用が起こらないようにするため、投与中は

  • 投与後はうがいや飲食を避けること(5分ほど)
  • 投与前後は激しい運動や入浴を避けること(2時間ほど)
  • 自己判断で服用を中止・再開しないようにすること

などに注意が必要です。

各薬剤に対しても以下のサイトから詳しい説明がありますので、参照してください

舌下免疫療法のデメリット(副反応)

舌下免疫療法のデメリット(副反応)として、ごく軽度なものは以下があげられます。

  • 口内、口唇のかゆみ・口腔内や舌根部の浮腫、感覚の異常
  • じんましん
  • 腹部症状(嘔吐、腹痛、下痢など)
  • 喘息発作
  • その他(耳のかゆみ・喉の炎症や違和感・くしゃみ・鼻みず・鼻詰まり・目のかゆみ)

舌下免疫療法に伴う重篤な副反応は極めてまれであり、従来の注射による方法よりもかなり安全です。舌下免疫療法によるアナフィラキシーショックは10万回に1回とされています。副作用の多くは薬の増量機に起こることが多いです。アナフィラキシーショックについては、こちらも参照してください。

アナフィラキシーについて解説【食べ物・原因・治療・薬剤】

治療の中断に至るような副反応としては大部分は喘息発作消化器症状があげられます。

舌下免疫療法が受けられない方・注意が必要な方

① 受けられない方

  • 対象のアレルギー(スギ花粉・ダニ)ではない方
  • 重い気管支喘息の方
  • 悪性腫瘍(がん)や自己免疫系の病気がある方

② 注意が必要な方

  • アレルゲンを使った治療や検査によってアレルギー症状をおこしたことがある方
  • 気管支喘息の方
  • 65歳以上の方
  • 妊婦の方、授乳中の方
  • 抜歯後や口の中の術後、または口の中に傷や炎症などがある方
  • 重症の心疾患、肺疾患及び高血圧症がある方
  • 他に服用中のおくすりがある方(特に非選択的β遮断薬、三環系抗うつ薬、モノアミンオキシダーゼ阻害薬<MAOIなど>)
  • 全身性ステロイド薬の投与を受けている方
  • 対象以外のアレルゲンに対しても反応性が高い方

なお当院では12歳以上の方から対象となります。事前にお薬手帳などで医師が確認して投与の判断を行いますので、持参をお願いいたします。他にご不安な点がありましたら、当院医師にお気軽にご相談ください。

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【この記事を書いた人】 
一之江ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。

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