脂肪肝について解説【症状・食事・治療・改善方法】

  • 肝臓の数値が高く「脂肪肝」といわれた
  • 脂肪肝と感じるが、何をすればよいのかわからない
  • 脂肪肝の治療方法はダイエット以外ないといわれた

などの方を対象に、一之江駅前ひまわり医院では、超音波検査(エコー検査)も行いながら、治療も行っております。

脂肪肝とは?

脂肪肝とは文字通り中性脂肪が肝臓にたまる疾患のことです。アルコールが原因の脂肪肝である「アルコール性脂肪肝」と、それ以外の脂肪肝である「非アルコール性脂肪肝(NAFLD)」に分けられます。具体的には肝臓の中に脂肪沈着があり、アルコールやウイルス、薬剤などの疾患を除外したものが当てはまります。

非アルコール性脂肪肝は2001年では有病率18%でしたが、ライフスタイルの変化と共に年々増加しており、2012年の日本の報告では男性32%~41%, 女性9%~18%と増加しています。(詳細はこちら

さらに、「非アルコール性脂肪肝」の中に、肝硬変や肝癌に至ることのある進行するタイプである「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」があることがわかり、最近注目を集めています。

そのため、脂肪肝の状態でいかに進行させずに治療しくかが大切といえるでしょう。

脂肪肝の原因は?

脂肪肝の最も重要な原因は肥満です。特に内臓全体の脂肪量と肝臓の脂肪量は最も大きく関係します。(詳細はこちら)最近「メタボリックシンドローム」といって2型糖尿病や脂質異常症、高血圧症などの関連疾患も脂肪肝の進展に大きくかかわります。

肝臓の役割の1つに、使いきれなかった糖分や脂肪酸などを中性脂肪やグリコーゲンとして蓄える働きがあります。しかし、その後使わずに逆にため込み続けると脂肪肝になってしまうのです。

ほかにも年齢や遺伝的素因やインスリン抵抗性も脂肪肝の原因にあげられる他、極端な食事制限などで無理なダイエットをすると「低栄養性脂肪肝」として発症することもあります。(低栄養性脂肪肝についてはこちらも参照

メタボリックシンドロームに代表される各疾患の説明についてはこちらも参考にしてください。

脂肪肝の検査や診断は?

血液検査で肝臓の酵素を調べるほかに、超音波検査(エコー検査)・CT検査などの画像検査で、肝臓への脂肪のたまり具合を判断します。特にエコー検査は簡便でありながら、正確性も高く非常に有用です。

(脂肪肝の超音波所見:通常なら腎臓と同じ濃度ですが、脂肪肝の方だと明るくうつります)

超音波検査(エコー検査)については、こちらも参照してください。

超音波(エコー)検査でわかること【腹部超音波・体表超音波(甲状腺や乳腺)】

また前述の通り、「非アルコール性脂肪肝」の確定診断には、肝炎ウイルスや自己免疫性肝炎、薬剤といった他の原因に伴う脂肪肝を除外する必要があり、問診と採血で詳しく調べていきます。

また「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」への進展具合をみるためのスコアリングシステムがいくつかあり、特に有名なのが、「Fib-4 index」と呼ばれるものです。これは、年齢とAST・ALTという感酵素、血小板数によって算出されるマーカーであり、次のサイトから算出できます。(Fib-4 indexの計算についてはこちらを参照

お手元に採血結果がある方は一度計算してみるとよいでしょう。当院でも適宜計算して経過を見ており、高値の場合精査のため高次機能病院に紹介が必要なことがあります。

また脂肪肝(特にNASH)の場合は胆石症・胆嚢ポリープや肝がんなどを併発することもあるので、その面からも定期的な経過観察が必要だと考えています。

脂肪肝の治療は?

基礎疾患の治療が大原則になります。つまり、

  • 肥満や内臓脂肪が原因の場合:減量や過度な食事を控える・適度な運動
  • 糖尿病や高血圧・脂質異常症が原因の場合: それぞれの疾患の治療
  • 2次性脂肪肝(ウイルス性や自己免疫性など): ウイルス治療や原因薬剤の除去など

他、2020年のNASFLD/NASHに関するガイドラインによる推奨薬剤は以下の通りです。

  • ビタミンE:体内の活性酸素を除去し、肝組織を改善するため有用。ただし、脂肪肝に対する保険適応はないので注意が必要です。(強く推奨)
  • 糖尿病治療薬:糖尿病を合併している脂肪肝の方で有効な薬剤がいくつか報告されています。糖分を尿からは排泄する薬やインスリンの働きをよくするお薬などです。しかし、いずれも脂肪肝には保険適応はないので、糖尿病として治療する上での候補といえます(強く推奨~弱く推奨)
  • 脂質異常症改善薬:脂質異常症を合併する脂肪肝の方に肝酵素を下げる効果があり有用としています。ただし、エゼチミブなど一部の脂質異常症改善薬の検討は不十分とされています。(弱く推奨)
  • 降圧薬(ARB・ACE阻害薬): 高血圧を合併する脂肪肝の方に有用としています。(弱く推奨)

他にも有効性が期待される薬剤が多数認められます。なお、ウイルデオキシコール酸(ウルソ錠®)は、常用量として有用性は認められていないので注意が必要です。

患者さんの状態に合わせて、脂肪肝に対する薬剤を提案していきますので、ぜひご相談してください。

(参照:日本肝臓学会 NAFLD/NASH診療ガイドライン 2020

脂肪肝の改善方法は?

① 食事療法

同ガイドラインでは、肥満を伴う非アルコール性脂肪肝の方に推奨される食事内容は以下の通りとなっています。

カロリー制限による体重減少はNAFLD患者の肝機能、肝脂肪化を改善させる。エネルギー摂取量の適正化を優先し、栄養素接種比率では炭水化物もしくは脂質を制限することを提案する

背景となっている臨床試験は様々ですが、エネルギー比率では炭水化物50~60%、脂質20~25%と脂質が制限されることが多くなっています。

炭水化物や脂質の比率よりもカロリー制限が重要であるとする論文(詳細はこちら)、地中海式ダイエットのように、低炭水化物に加え不飽和脂肪酸をとることで肝脂肪化が改善するという報告(詳細はこちら)もあり、具体的な食事はまだ模索段階。以上から、

  • カロリーが制限されること
  • 炭水化物か脂質を減らすこと
  • 減量が続けられること

が達成できれば脂肪肝は改善すると考えられます。ひまわり医院では個人個人に合わせて適切にアドバイスしていきます。

また、コーヒーの摂取が脂肪肝の発症を抑制するとした疫学研究が複数みられており、注目を集めています。(詳細はこちら

② 運動療法

運動療法だけでも非アルコール性脂肪肝の肝機能改善や肝脂肪化に有効である報告が複数認められており、推奨されています。

具体的な運動療法の内容はさまざまで有効性が検証されている運動は下記の通りです。

  • 1回30~60分、週3~4回の有酸素運動を4~12週間継続することで、体重が減らなくても肝脂肪化を改善(詳細はこちら
  • 週250分以上の中~強度の有酸素運動を12週間行う方法(詳細はこちら
  • レジスタンス運動はエネルギー消費量が有酸素運動より少なくても、肝脂肪化を改善(詳細はこちら

また、もともとのBMIが高い人ほど運動療法で脂肪肝はよくなりやすいことが言われています。薬物療法などと違って、取り入れやすく脂肪肝に限らずさまざまな病気を防ぐので、非常にオススメです。

具体的な運動療法についても、どうぞ気軽に相談してください。個人に合わせてアドバイスさせていただきます。

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【この記事を書いた人】 
一之江ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。

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