片頭痛の対処法は?原因・治し方・予防薬についても解説

(2021年7月20日に更新しました)

・ 朝起きるとズキズキ痛みがして辛い
・ 頭痛がするときに目がチカチカして吐き気がでてくる
・ 何回も繰り返して、最近市販薬では効かなくなった

こんな経験はありませんか?一之江駅前ひまわり医院では、片頭痛をはじめとした頭痛に対する診療も行っております。

片頭痛とは?

片頭痛とは、頭痛発作を繰り返す病気で、日本では8.4%が片頭痛にかかっているといわれています。
そのうち、約1/3は何らかのきっかけがあります。
女性は男性の3.6倍多いことが言われており、特に20代~40代の若い女性に多くでてきます。
未成年の方の有病率は高校生9.8%・中学生4.8%と比較的多く出てくるのが特徴です。
片頭痛ガイドラインより

片頭痛の診断基準は?

世界中で認められている診断基準である国際頭痛分類にのっとり診断しています。
分かりやすいように言い換えますので、自分の症状に当てはまるかチェックするとよいでしょう。

① 頭痛が4時間~72時間つづく。

② 頭痛が以下の4つの特徴のうち2つ以上当てはまる
・ 片側におこる
・ 「ズキズキ」「ドクドク」した拍動がおこる
・ 中等度から重度の頭痛である
・ 日常的な動作(歩行や階段の昇り降り)で頭痛が悪化する。頭痛のために日常的な動作を避ける

③ 頭痛発作中に以下の症状を伴う
・ 吐き気や嘔吐(またはその両方)
・ 光や音に敏感にになる

④ ①~③を満たす頭痛発作が5回以上ある

⑤ 他に最適な国際的な診断基準にあてはまらない場合

片頭痛と他の頭痛を見分けるポイントは?

頭痛にはいろいろな種類がありますが、大きく分けて「一次性頭痛」と「二次性頭痛」があります。
一次性頭痛は、他の病気によらず頭痛発作を繰り返す慢性の頭痛で、二次性頭痛は脳や頭部の病気の症状として起こるものです。

いわゆる「脳腫瘍」や「くも膜下出血」の多くが、「二次性頭痛」にあたります。

危ない頭痛を見分けるサインが「レッドフラグサイン」と呼ばれるものです。
わかりやすく言いなおしてみたので、
以下の徴候に当てはまっていないか、自分でも確認するとよいでしょう。

ひまわり医院ではこれらの徴候がみられた場合、重症度に合わせて各施設と連携し検査したり急性期病院へ速やかに紹介したりしています。

・ 初めて、または人生最悪の頭痛
・ 突然でてきた「雷に打たれたような頭痛」
・ 急に悪くなった、または全く今までと違う頭痛
・ 脳神経学的所見(手足のマヒや顔の異常など)が1時間以上続く
・ 50歳以上で新しく出てきた頭痛
・ ガンの方、免疫が抑えられている方、妊婦さんに起こった新しい頭痛
・ 意識障害をともなう頭痛
・ バルサルバ(息をこらえること)で頭痛発作がでてくる場合

片頭痛の原因は?

片頭痛の発症機序としては諸説ありますが、以下の説が一般的です。

① 三叉神経血管説

何らかの原因で三叉神経(痛みを感じる神経)から炎症を起こす物質(サブスタンスPなど)がでてきます。
これが血管を刺激して頭痛がでてくるといわれています。

② 血管説

神経伝達物質であるセロトニンが多量に放出することで、頭の血管が収縮して片頭痛の前兆がでてきます。
その後セロトニンが足りなくなり、血管が異常に拡張することで頭痛発作を引き起こすとされています。

ほか、神経説などありますが、いくつかのメカニズムが融合して実際には片頭痛が起きるのでないかとされています。

片頭痛が起きるきっかけは?

片頭痛発作のうち、1/3は前兆(おこる前ぶれ)があり、特定の状況で頭痛発作がでる方もいます。
そういった方は、その「特定の状況」がなにかを知ることで、「特定の状況」を避けたり、その時だけ鎮痛薬の準備をしておくなど、対処しやすいなく

例えば
・ 月経周期で起こりやすい
・ ストレス・過度な緊張がなくなった時・睡眠リズムの乱れ
・ 空腹になった時・アルコールを飲んだ時
・ 温度差や天候の変化

などが一般的です。

みなさんのきっかけはなんでしょうか?
「頭痛ダイアリー」といって、頭痛の起こった状況を記録することで「きっかけ」を見つけることができるかもしれません。日本頭痛学会も推奨・発行しており、以下からダウンロードできますので、活用してみてください。

頭痛ダイアリーはこちら

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片頭痛の治療薬は?

薬物療法には、発作治療薬と予防療法があります。頭痛発作が起こった時に、できるだけ早く症状を沈める薬のことを発作治療薬といい、以下が代表的です。

(1) 非ステロイド性抗炎症薬

軽症~中等度の片頭痛の第1選択薬になります。市販薬でも「イブ®」でよく知られていますね。
他にも「ロキソニン®」や「カロナール®」などがあげられます。

これらは、「アラキドン酸カスケード」といって炎症が起こるメカニズムの一部を遮断することで痛みが起こらなくします。発症早期の服用が効果的です。

片頭痛のガイドラインでも安全で安価であり、効果も高いことから「グレードA(強く推奨する)」に分類されています。ただし、効果としては次に述べるトリプタン製剤よりも限定的です。

また「頭痛がひどいから」という理由で、これらの薬物を乱用すると「薬物乱用頭痛」といって薬物の内服が原因で頭痛になったり、胃や腎臓・肝臓を悪化させてしまう可能性があります。

そのため、「市販薬でも効かないような片頭痛」の方には、次のトリプタン製剤を使うことになります。

(2) トリプタン製剤

トリプタン製剤は、片頭痛のメカニズムである血管の拡張を抑え、神経終末からの神経ペプチドの放出抑制、三叉神経核における痛みを伝える経路を抑えることで、片頭痛発作をおさえます。

難しいことをかきましたが、薬物動態としてはまさに「片頭痛を抑える薬」に特化した薬といえるでしょう。
もちろん片頭痛のガイドラインでも「グレードA(強く推奨する)」に分類されています。ただし、市販薬よりも高価なため、「とっておきの切り札」といえるでしょう。

トリプタン製剤には様々な形態があります。(口の中で溶けるものや注射薬・点鼻薬など)個々の患者さんによって、どのトリプタン製剤があっているかは大きく異なりますので、一緒に相談しながら適切な薬を探していきましょう。

(3) エルゴタミン製剤

エルゴタミン製剤もトリプタン同様、血管を収縮させて片頭痛発作を抑えます。トリプタンができる以前は、片頭痛治療薬の中心的な薬として位置づけられていました。作用を強くするためカフェインと一緒に服用します。

片頭痛のガイドラインでは「グレードB(推奨する)」に分類されています。トリプタン製剤と同時に服用できないこと、副作用として吐き気があることなどから、今は使用は限定的になっています。

他にも、吐き気に対して吐き気止めを併用したり、吐き気止めを注射することで頭痛発作が軽減するという報告があります。Mg製剤・トラムセット®などの使用する論文もありますが、第1選択ではありません。

片頭痛の予防薬は?

予防療法とは、発作治療約のみでは日常生活の支障が残る時に、頭痛の頻度・程度・持続時間を減らすために行われる治療法です。

・ しばらく使わないと効果を発揮しない
・ 頭痛を「予防する」ため、発作がおこった時は「発作治療薬」と併用する
ことがポイントになります。

本来不整脈の治療に使われる「β遮断薬」の他、降圧薬や抗てんかん薬、抗うつ薬などが予防療法の代表的なお薬です。あくまで頭痛発作の予防に使用していることを理解いただいた上で、どの薬があっているかを患者さんの状態に合わせて処方しています。

片頭痛の対処法は?

片頭痛が起こったら、以下の点に気をつけてみましょう

・ 食べ物:  チーズなどの発酵食品やチョコレート・赤ワインなどを避ける。片頭痛もちの患者さんは、そうでない方に比べて高脂肪の食事やコーヒー・お茶の消費量が多いことも指摘されています。
・ 温度調節: 基本的に痛みところを冷やしましょう。拡張した血管が収縮して楽になります。ただし、頸の血流が悪い方など、人によっては温めるほうがよい場合もあります。
・ 暗い静かな部屋で横になりましょう。色々な刺激があるほど片頭痛発作は起こりやすくなります。
・ 睡眠をしっかりとりましょう。寝不足は誘因因子になります。
・ ツボ: 手の親指と人差し指の間の「合谷」や「こめかみ」などのツボ押しが有効な場合があります。ただし過度に刺激せずやさしく行ってください。(効果はまだ医学上未検証です)

よくある質問

Q: 妊娠中や授乳中の片頭痛発作はどうすればよいの?


A: 発作治療薬としては、アセトアミノフェン(カロナール®)がすすめられます。妊娠中は発作頻度は少なくなる上、トリプタン製剤や予防療法を行うほどの大きい発作になる可能性は低くなりますので、ご安心ください。

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【この記事を書いた人】 一之江ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。

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