尿路結石(特に尿管結石)を出す方法は?原因や症状・予防法についても解説

(2021年9月15日更新しました)

突然の腰や下腹部痛で苦しむ「尿路結石」。夜中に突然やってきて七転八倒しながら救急外来に駆け込むケースもしばしばあります。

一之江駅前ひまわり医院では、腹痛や腰痛の鑑別で疑わしい場合、尿管結石の精査・予防法の指導も行っております。

尿路結石とは

尿管結石とは、腎臓から尿道までの通り道に結石ができる疾患のこと。中年以降の男性や閉経後の女性に多く見られ、一生のうちに尿路結石になる確率は日本人で約10%といわれており、ありふれた疾患といえます。

結石ができる場所によに上部尿路結石(腎結石・尿管結石)と下部尿路結石(膀胱結石・尿道結石)に分けられますが、95%は上部尿路結石になります。解剖学的な位置関係は次の通りです。

結石の種類の数種類に分けられ、主なものに「シュウ酸カルシウム結石」「リン酸カルシウム結石」「尿酸結石」およびその混在型に分かれます。90%が上記2つのカルシウム結石で、尿中のカルシウム濃度が高くなり、尿が酸性に近付いたりすることで、カルシウム結石が発生しやすくなります。

尿路結石・尿管結石の原因

一部遺伝性にできるものもありますが、増加している背景として生活習慣の変化が考えられています。

肥満・糖尿病・高血圧といった個々の生活習慣病やこうしたリスクの積み重ねが尿路結石と関連していることは多くの疫学研究で指摘されており、尿路結石症はメタボリックシンドロームの一疾患と位置付けられています(尿路結石症診療ガイドラインCQ06による)

尿路結石・尿管結石の症状

尿管結石の症状は主に「痛み」と「血尿や吐き気」です。

痛みは結石の大きさや形状によって異なりますが、典型的には「わき腹に我慢できいないほどの激痛」が「波のように押し寄せてくる」のが特徴です。背中を抑えながら来院され、体を色々な方向に動かすことが多く見受けられます。しかし、症状としては多彩で下腹部の違和感や残尿感・睾丸にひびく痛みとして感じることもあります。

痛みとともに血尿がでることも。人によっては痛みのあまり吐き気や嘔吐といった症状が出てきます。

一方、腎結石や膀胱結石はほとんど無症状のことも多いですが、腎臓の石が尿管に落ちたときに激痛がでてくるので注意が必要になります。

尿路結石・尿管結石の診断

症状と身体所見と一緒に尿検査と腹部超音波検査を行います。

尿検査では結石が尿路を傷つけるとでてくる「血尿」を見ることで、尿管結石の有無を判断します。しかし、尿検査で血尿が出てこないケースもあるので注意が必要です。

尿管結石や腎結石を判断する上で簡便で精度の高い検査は「超音波検査」です。尿管結石ができると、結石が尿の通り道をふさいでしまうので、「水腎症」といってそれより上の尿管を広げパンパンに膨らむサインを認めます。

腹部超音波検査 腎臓5 水腎症より転載)

また確定診断として単純CTをとることもあります。(尿路結石症診療ガイドラインCQ7参照

尿管結石の疼痛で苦しむ方のほとんど全員がこのサインを認めるので、非常に有力な検査方法です。(超音波検査については超音波検査でわかること【費用・原理・メリットやデメリット】も参照してください。)

また腎結石も超音波検査で容易にわかり、腎臓に結石が「acoustic shadow」と呼ばれる影を作りながら白く描出されます。

尿路結石・尿管結石の治療

基本は「疼痛を抑えながらいかに早く結石を膀胱に流す」かがカギとなります。

ほとんどの場合は鎮痛作用の強い薬を使い、飲水を積極的に行いながら、自然と結石が流れるのを待つと数日でよくなります。また、海外ではカルシウム拮抗薬やα1遮断薬は、尿管拡張作用により排石促進薬として海外では用いられています。(詳細はこちら

逆に10 mm 以上の尿管結石は自然排石の可能性は低く、積極的な結石除去がすすめられています。また状発現後1 か月以内に自然排石を認めない場合にも積極的な治療を行ってほうがよいとされています。(尿路結石症診療ガイドラインCQ9参照

積極的な治療方法として代表的なのが、「体外衝撃波結石破砕術(ESWL)」と「経尿道的尿路結石除去術(TUL)」です。ESWLは専用機器で発生させた衝撃波を体外から結石に当てて破砕します。一方、TULは麻酔をかけた痛みを伴わない状態で尿道から「尿管鏡」という細い内視鏡を挿入、結石をモニターでみながら取ります。ほとんどの結石はESWLで治療可能です。(当院ではいずれも行っていないので、積極的な治療を希望される方は、連携している泌尿器科施設に紹介します

尿路結石・尿管結石の予防法

尿路結石は再発しやすい疾患であり、再発予防がとても大切になります。

① 積極的に水を飲みましょう

1 日の尿量が2,000 mL 以上となるように水分を取ると尿管結石を予防することが数多くの臨床研究で示されています。オシッコの流速で結石ができいにくくし、カルシウムの濃度を尿量でさげるためです。

そのため食事以外に1 日2,000 mL 以上の飲水を積極的にとるようにしましょう。

② シュウ酸を多く摂らないようにしましょう

尿中に排泄される「シュウ酸」は尿路結石症をできやすくします。その70%は食事由来なので、シュウ酸を多く含む食品を摂るときに工夫することが大切です。

シュウ酸を多く含む食品は、

  • ほうれん草・スイバ: 100gあたりシュウ酸800mg含有
  • キャベツ・ブロッコリー・カリフラワー・レタス: 100gあたりシュウ酸300mg含有
  • サツマイモ: 100gあたりシュウ酸250mg含有
  • ナス: 100gあたりシュウ酸200mg含有

の他、タケノコ・バナナなどがあげられます。シュウ酸は水に溶けるので、これらの食事をとるときはゆでるなど水を使った食事方法にするようにしましょう。それ以上に大切なのが、お茶や紅茶やコーヒーの摂取。

東欧からの報告でシュウ酸カルシウム結石の患者の食事由来のシュウ酸について、その80〜85%は紅茶やコーヒーとされており、尿路結石を繰り返す方は注意が必要です。(詳細はこちら

③ 尿酸を下げるようにしましょう

また、高尿酸血症の方はプリン体の過剰摂取で尿酸結石になることもあります。尿路結石を繰り返す場合は、尿酸値を下げる薬を使った方がよい場合もあるので、かかりつけの先生に相談しましょう。

詳しくは尿酸って何ですか?高尿酸血症や痛風について解説【診断・食事・生活の注意点】も参照してください。

④ カルシウムは一定量とるようにしましょう

よくある間違いとしては「カルシウムが尿にでてくるならカルシウムを制限すればよい」と考えてしまうこと。臨床研究からはカルシウム結石の再発予防には,カルシウム摂取を制限するより、一定量のカルシウムを摂ったほうがよいとされています。(詳細はこちら)これは、カルシウムが結石の原因となるシュウ酸を排泄する役割があるためです。

カルシウムの多い食事は骨を強くするには?骨粗しょう症(骨粗鬆症)について【原因・治療・食べもの】に記載がありますので、参考にしてみてください。

⑤ クエン酸をとるようにしましょう

クエン酸はシュウ酸とカルシウムが尿中で結合するのをおさえてくれます。具体的には上記の生活習慣でも結石ができて、高カルシウム尿、高尿酸尿、高シュウ酸尿、低クエン酸尿とのとき、クエン酸製剤が処方されることがあります。

クエン酸を多く含む食品としてみかん・夏みかん・レモン・グレープフルーツの柑橘系をはじめ、酢・梅干し・じゃがいも・いちご・トマトなどがあげられます。

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【この記事を書いた人】
一之江ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。

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