新型コロナワクチン追加接種(3回目接種)について【効果・副反応・接種時期】

新型コロナワクチンは2021年11月下旬時点で9600万人超(76%)が接種を終えました。実際、日本は主要7か国中接種率でトップになっています。(2021年11月)

しかし、イギリスやアメリカ・イスラエルなど世界各国で、2回ワクチン接種したのにも関わらず新型コロナウイルス感染症にかかる「ブレークスルー感染」が起こっています。(ブレークスルー感染については新型コロナのブレークスルー感染とは?2回接種後の感染割合や症状・重症度について)も参照してください)

これを受けて厚生労働省や各自治体は新型コロナワクチン追加接種(3回目接種)にむけて、着々と準備を進めています。一方、患者さんからも

  • 新型コロナワクチン3回目の効果はどれくらいなのか
  • 3回目接種を受けたほうがよいのか、正直まよっている
  • ワクチン2回目でも副反応があったのに、3回目を打って大丈夫なのか

などの声を数多く聞きます。今回、そのような新型コロナワクチン追加接種(3回目)の効果や副反応といった疑問について、論文や政府の見解をもとにお応えしていきます。

新型コロナワクチン追加接種(3回目接種)はなぜ必要か

新型コロナワクチン追加接種(3回接種)が必要になった理由は以下の通りです。

① ワクチンの感染予防効果がゆるやかに減少するから

新型コロナに対する脅威の高さからワクチン接種は迅速に行われ、長期効果については(現在でも)十分に検証されていない状況でした。その後、多くの論文で実施された方への追跡データから「ワクチン接種後の効果は緩やかに低下する」ことがわかっています。

例えば、米国でファイザー社のワクチン接種が行われた約340万人の研究では、接種後1か月~5か月にかけて感染予防効果は全年齢で88%(86-89%)から47%(43-51%)に低下しています。年齢別にみても

  • 16-44歳:89%➡39%
  • 45-64歳:87%➡50%
  • 65歳以上:80%➡43%

と低下していました。

下図のように変異株の種類に関わらず同様に低下しています。(デルタ株:93%➡53%、その他の変異株:97%➡67%)

一方、ワクチンに対する入院予防効果は接種後6か月までの間、全年齢で保たれていました。(下図参照)

このことから2回目接種によって「時間と共に感染予防効果は減っていくが、入院や死亡する効果は持続される」といえます。(少なくとも接種後6か月まで)

この傾向はファイザー社製ワクチンだけでなく、モデルナ社製ワクチンアストラゼネカ社製ワクチンでも同様の傾向がみられています。(現在も数多くの論文が出ていますので、随時お知らせします)

② 2回目接種後も感染する「ブレークスルー感染」が世界各地で起きているから

World on Dataの情報から作成)

前述の通り、実際に世界各地で2回ワクチン接種後にも関わらず感染が起こる「ブレークスルー感染」が各地で起きています。上図はイスラエルの2021年11月までのCOVID19患者数の推移ですが、半分以上の方がワクチン接種を終わっているのにも関わらず、COVID19感染が拡大し、入院患者数1500人近くに上りました。

他にもアメリカやヨーロッパ各地にもブレークスルー感染は広がりを見せています。日本でも今後「ブレークスルー感染」の拡大が懸念され、新型コロナワクチンの追加接種が必要といえるでしょう。

新型コロナワクチン追加接種(3回目接種)の効果は?

では、新型コロナワクチンの追加接種で感染予防効果はあるのでしょうか。上記のイスラエルから発表された論文によると、3回目接種により

  • 感染予防効果: 88%  [95%信頼区間:87%-90%]
  • 入院予防効果: 93% [82%-97%]]
  • 死亡に対する予防効果: 81% [59%-97%]

としています。(各グループ約73万名ずつを対象)また、ファイザー社での発表でも非追加接種群と比較した発症予防効果は95.6%であったとしています。

その背景には、やはり追加接種(3回目接種)による中和抗体の増加があります。(中和抗体とは、簡潔にいうと「ウイルスが侵入できなくする抗体」のことです。詳しくはこちらも参照してください。)

アメリカで行われた研究によると、追加接種後1か月の中和抗体価は2回接種後と比較して、1か月後に中和抗体価が

  • 18-55歳で5倍以上
  • 65-85歳で7倍以上

に増加しました。デルタ株に対する中和抗体価も18-55歳で5倍以上・65-85歳で12倍以上になっています。

もちろん3回目接種による免疫持続期間は未知数です。しかし上記イスラエルの研究の累積発症率を見てみると、3回目接種が始まってから8週間(56日)までの追跡調査では、下図のように十分抑えられていますので、「追加接種の効果もすぐなくなる」といったことはないでしょう。

イスラエルの研究結果より一部日本語に改訂)

新型コロナワクチン追加接種(3回目接種)の副反応は?

新型コロナワクチン追加接種(3回目接種)の副反応は「2回目接種後と概ね同じくらい」といえます。具体的な2回目接種と3回目接種の副作用の比較は以下の通りです。(ファイザー社製)

3回目接種2回目接種
局所反応83.0%78.6%
疲労感63.7%59.4%
頭痛48.4%54.0%
筋肉痛39.1%39.3%
悪寒29.1%37.8%
関節痛25.3%23.8%
下痢8.7%10.0%
発熱8.7%16.4%
嘔吐1.7%2.2%
(数値の高かった方を着色)

また追加接種はワキを中心にリンパ節の腫れが発症後1日目~4日目に多く出やすことが特徴です。(5%程度)しかし、ほとんどの場合が短期間・軽度に症状がおわっていることも確認されているので、過度に心配する必要はないでしょう。(PMDA資料はこちら)(厚生労働省の見解はこちら

新型コロナワクチン追加接種(3回目)の対象者は?

新型コロナワクチン追加接種対象者は「18歳以上の方(ただし流行状況や背景因子を踏まえて、ベネフィットとリスクを考慮し接種の要否を判断すること)」としています。2回接種は18歳未満の方も受けられたので、注意が必要ですね。

また添付文書上は2回目接種から少なくとも6か月経過した後に3回目接種できる」としていますが、厚生労働省は2回目との接種間隔は「原則8か月以上」としています。

2021年12月から医療従事者が、高齢者は来年1月から接種が始まる予定であり、その後ほかの方たちが順次接種を受ける予定です。

ひまわり医院での新型コロナワクチン追加接種(3回目)の対応について【順次更新します】

江戸川区の新型コロナワクチン追加接種(3回目接種)の対応としては、以下の通りになっています。

  • 11月15日:3回目接種券(医療従事者・12月接種者分)を発送
  • 12月中旬:3回目接種券(医療従事者・1月接種者分)を発送予定
  • 1月中旬:3回目接種券(住民接種・2月接種者分)を発送予定
  • 2月中旬:3回目接種券(住民接種・3月接種者分)を発送予定

本格的に住民に対して接種が始まるのが2月からになるので、それに合わせて随時対応してまいります。

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【この記事を書いた人】 
一之江ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。

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