新型コロナウイルス中和抗体検査キットを導入しました【従来のIgG検査との違いも解説】

  • ワクチン接種の効果があったのか知りたい
  • 新型コロナウイルスに現時点で免疫力があるか知りたい

という方のために、一之江駅前ひまわり医院では新型コロナウイルスの中和抗体検査キットを導入しました。

ただし、中和抗体キットの使用にあたっては、以下の「中和抗体検査キット使用にあたっての注意点」をお読みになってからご検討ください。

中和抗体とは?

中和抗体とは、文字通りウイルスや菌の影響を「中和」して身体を守る抗体のことです。

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染すると、体内ではウイルスに結合する様々な抗体がつくられます。抗体とは簡単にいうとウイルスと自分の組織の違いを示すマーカーのようなもの。抗体を付けられたウイルスは免疫細胞が認識しやすくなります。その結果、ウイルスの増殖を抑制し、感染症の予防や回復に重要な働きをします。

数ある抗体がもつ機能の中でもウイルスに結合して細胞に侵入するのを妨害する効果を「中和」と呼びます。体内にできた抗体がウイルスを中和することでコロナウイルスに感染してもの重症になりにくくなり回復が早まるようになるのです。

従来の抗体検査と中和抗体の違いは?

「あれ?抗体検査って1年前くらいから騒がれていなかったっけ?どう違うの?」

と思った方もいるかもしれません。以前よく新型コロナ感染症で使用された検査として「抗体検査」がありますが、「中和抗体検査」とは別ものです。

「抗体」といっても実は様々な種類があり、よく検査に使われる抗体は「IgM抗体」と「IgG抗体」があります。IgM抗体は、感染から1週間で上昇し始め、3週間ほどでなくなってきます。一方、IgG抗体はIgMより遅れて出現し(通常感染から2週間)、6ヶ月から最大数年間にわたって検出が可能です。しかし、この「IgG抗体がウイルスを防御するのに役立つか」というとそれは別問題です。

(抗体検査については、新型コロナウイルス感染症 抗体検査キットについて解説【原理・費用・時間・正確性】を参照してください

厚生労働省の2020年7月の発表から参照すると、ロシュ社・アボット社のキットのいずれかの抗体検査で陽性になった38例のうち中和抗体の保有が認められたのは8例(21%)でした。(厚生労働省の試験詳細はこちら)つまり、抗体検査で陽性だとしても中和抗体が産生されているとは限らないといえます。

(しかし、同発表では、ロシュ社・アボット社のキットのどちらも陽性であった場合は全例(100%、8例/8例)で中和抗体を有していました。そのため、両キットで測定し陽性の場合は中和抗体を産生している可能性が高くなります。)

こうした点から

  • 今まで新型コロナウイルス感染症にかかったか知りたい: 通常の抗体検査
  • 新型コロナウイルス感染症に対する免疫力が知りたい: 中和抗体検査

といえるでしょう。

中和抗体キットの信頼性は?

ここで気になるのは、中和抗体検査キットの信頼性ですよね。当院であつかう中和抗体検査キットの臨床試験結果は以下の通りです。

  • 症例数: 613症例
  • 感度(中和抗体を持っている人で「抗体あり」と判定した人): 95.4%
  • 特異度(中和抗体を持っていない人で「抗体なし」と判定した人):98.4%
  • 正診率: 97.4%

となります。

*本検査キットとワクチン接種後(抗体あり)/接種なし(抗体なし)を比較した試験

本検査キット キット陽性(抗体あり) キット陰性(抗体なし) 合計
陽性(抗体あり) 103 8 111
陰性(抗体なし) 5 497 502
合計 108 505 613

新型コロナウイルスの中和抗体はどれくらい続くの?

東京大学医科学研究所の発表によると、新型コロナウイルス感染した時の中和抗体は少なくとも3~6か月維持されるという結果がでています。(詳細はこちら)また、横浜市立大学の研究グループの発表によると新型コロナワクチンを2回接種した場合、変異株でも90%以上に中和抗体が確認されたという結果もでています。(詳細はこちら

しかし、「中和抗体キット陽性=中和抗体が現時点で保有している」とは高い確率で言えますが、それがどれくらいの期間維持されるかは正確なことがいえません。そのため、厚生労働省の見解では「一度新型コロナウイルスに感染した方であっても、再度感染する可能性は否定できないため、引き続き適切な行動をとっていただく」ことを推奨しています。(厚生労働省の見解はこちら

中和抗体検査キットの費用は?

ひまわり医院での中和抗体検査の費用は以下の通りです。(診察費・検査費・結果説明など含めます。自費診療です)

新型コロナ中和抗体検査 1回 4000円(税込)

中和抗体検査の実際や所要時間は?

「マイクロブラッド」といって、指先に極細の針をさして血液を採取することで行います。血液が指先からとれないことが予想される場合は、少量採血することもあります。

判定時間は15分になります。採取後結果が判明しましたら、医師より結果説明させていただきます。

また中和抗体検査のみの場合、受付に声をかけていただけましたら待ち時間なくご案内いたします。事前予約の必要もありません。

【重要】中和抗体検査キット使用にあたっての注意点

必ず以下の注意事項を必ずお読みになってから、検査をお受けください。

① 中和抗体検査が陽性の場合

  • 前述のとおり、「中和抗体陽性」だからといって、感染予防をおろそかにしてよいわけではありません。なぜなら、「中和抗体がどれくらい維持されるか」「どの時点で中和抗体が獲得されたか」はわからないからです。
  • 「中和抗体があるからワクチン接種をしなくてよい」というわけではありません。どこまで効果が持続するかわからないからです。効果を持続する意味でも、ワクチンの副反応を考慮した上で、原則ワクチン接種をおすすめします。
  • 中和抗体検査が陽性だったとしても、マスク着用や手指消毒など引き続き感染予防につとめ、感染拡大時の不要不急の外出は控えるようにお願いいたします。

② 中和抗体検査が陰性の場合

  • 例えばワクチン2回接種後でも中和抗体が陰性だった場合、現時点ではワクチンを追加接種することはできませんのでご注意ください。

陽性・陰性いずれの場合も、感染拡大の防止(マスク着用・手洗い・うがいの徹底・ソーシャルディスタンスの確保)にご協力のほどよろしくお願いいたします。

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