新型コロナウイルス感染症について【症状・臨床経過・予防策】

中国武漢から全世界に発生した変異したコロナウイルスによる感染症です。

一般的には飛沫感染、接触感染で感染します。(エアロゾル感染は主な感染経路と評価されていません)

閉鎖した空間で、近距離で多くの人と会話するなどの環境では、咳やくしゃみなどの症状がなくても感染を拡大させるリスクがあるとされています。

新型コロナウイルス感染症の症状と臨床経過

感染から約5日間(1-14日間)の潜伏期間を経て、風邪のような症状(発熱、咳、のどの痛み、鼻水)や体のだるさが出てきます。特に発熱が軽度でも、倦怠感が強いことが特徴です。10%の方で嘔吐や下痢など消化器症状が中心になることもあります。また、味覚障害や嗅覚障害が多い(最終的には10のメタ解析ではそれぞれ44%・55%)になることが特徴です。(全員が嗅覚・味覚障害を起こすわけではありません。[詳細は「よくある質問」参照])

最近、デルタ株を中心とした変異株が中心となってきています。従来のコロナウイルスとの違いは下記を参照してください。

(新型コロナウイルス診療の手引き 5.3版による)

ふつうの風邪やインフルエンザ、急性胃腸炎では、発症3~4日目までをピークに改善傾向になりますが、新型コロナウイルス感染症では、それらよりも症状が長く経過するという点で異なります。

症状が7日前後続いたのち、80%は自然に軽快しますが、20%は肺炎を合併します。発症7日以内のタイミングで肺炎に至ることもあり、特にお年寄りの方基礎疾患がある方は注意が必要になります。(よくある質問を参照のこと)

自宅療養中の家族内感染の予防策
感冒様症状・新型コロナウイルス感染症疑い・軽症の陽性の方

1、 症状がある患者さんは、1-2週間は自宅療養を行い、仕事は所属される会社と電話で相談をしてください。自宅ではできる限り家族との接触を避け、食事や寝室、療養する部屋もわけましょう。看病が必要な場合は、看病する人を限定し、可能な限り、持病がある方や妊娠中の女性には看病させないほうがよいでしょう。

2、 患者さんと家族はタオルを共有せず、別のものを使いましょう。患者さんの入浴は最後にしましょう。

3、 療養する部屋から患者さんが出る時は、マスクをつけ、部屋を出る直前に15秒以上のアルコール手指消毒をしましょう。(石鹸手洗いでも問題ありません)

4、 患者さんが触った箇所(ドアノブや手すりなど)は、アルコール消毒をした紙でふき取り、ふき取った紙はすぐにゴミ箱に捨てましょう。消毒用アルコール以外にも次亜塩素酸ナトリウム(家庭用漂白剤など)でも問題ありません。

5、 定期的に部屋の窓を開けて換気しましょう。(目安は1-2時間に5-10分程度となります)

6、 患者さんが使った衣類やシーツを洗濯する際は、手袋とマスクをつけて洗濯物を扱い、洗濯後には十分に乾燥させましょう。

7、 患者さんが出すゴミはビニール袋等に入れ、しっかりと口をしばって密閉してから部屋の外に出しましょう。ゴミを扱った直後は手洗いをしっかりしましょう。
参考:一般社団法人日本環境感染学会ホームページ 

Q&A

Q: 新型コロナウイルスPCR検査は当院(ひまわり医院)でもできますか?

A: 新型コロナウイルスPCR検査(鼻腔法・唾液法)を行うことはできますが、発熱外来の時間でしっかり分けて行っております。(当院の職員含めて厳重にチェックしており、2021年7月現在PCR陽性の方は職員内におりません。また全員新型コロナワクチン接種を2回行っております。)「ちょっとでも疑わしい」と思ったら、症状で振り分けさせていただきますので、必ずお電話をいただき、指定された時間にご来院いただくようお願い申し上げます。

Q: 新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、重症化する人や死亡する人はどれくらいですか?

A: 新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、重症化する人の割合や死亡する人の割合は年齢によって異なり、高齢者は高く、若者は低い傾向にあります。
重症化する割合や死亡する割合は以前と比べて低下しており、2020年6月以降に診断された人の中では、
・重症化する人の割合は 約1.6%(50歳代以下で0.3%、60歳代以上で8.5%)、
・死亡する人の割合は 約1.0%(50歳代以下で0.06%、60歳代以上で5.7%)となっています。
(2021年8月の厚生労働省の発表による)

Q: 新型コロナウイルス感染症が重症になりやすい方はどのような方ですか?

2021年7月までの解析結果ですと、新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち重症化しやすいのは、高齢者と基礎疾患のある方、一部の妊娠後期の方です。
重症化のリスクとなる基礎疾患等には、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、心血管疾患、肥満、喫煙があります。(2021年8月の厚生労働省の発表による)

Q: 新型コロナウイルスに感染した人が、他の人に感染させてしまう可能性がある期間はいつまでですか?

A: 新型コロナウイルスに感染した人が他の人に感染させてしまう可能性がある期間は、発症の2日前から発症後7~10日間程度とされています。また、この期間のうち、発症の直前・直後で特にウイルス排出量が高くなると考えられています。
このため、新型コロナウイルス感染症と診断された人は、症状がなくとも、不要・不急の外出を控えるなど感染
防止に努める必要があります。(新型コロナウイルス診療の手引き 5.3版による)

Q: 新型コロナウイルス陽性の方への抗体カクテル療法(ロナプリーブ点滴静注®)は行っていますか?

当ひまわり医院では2021年8月時点で、陽性者に対する抗体カクテル療法は行っておりません。また運用含めて決まり次第、随時ホームページにも掲載していきます。

Q: 新型コロナウイルスの自宅療養期間が終わった後に陰性確認目的でPCR検査を行うことはできますか?

結論からすると陰性確認目的PCR検査をするのはオススメしません。(非常に気持ちはわかります)

PCR検査は体内にいる新型コロナウイルスの遺伝情報を増幅して検出する方法です。そのため、自宅療養期間明けすぐにに測定すると「体内に遺伝情報は残っているけれど、感染性が低い状態」になっている可能性があるからです。

通常平均20日くらいは体内に新型コロナウイルスの遺伝情報は残っていますが、自宅療養期間である発症10日ほどでまわりの人にはうつさなくなります。

新型コロナウイルス感染症から治癒したことを証明するために、PCR検査を受けて陰性を確認することは必要ありませんのでご安心ください。

Q: 新型コロナウイルスの変異株についてわかっていることはなんですか?

A: デルタ株に関して、こちらの記事にまとめましたので参考にしてください。

現在、従来よりも感染しやすい、重症化しやすい可能性のある変異株や、ワクチンが効きにくい可能性のある変異株が世界各地で報告されています。日本でも各地で変異株の報告が広く報告され、定期的なモニタリングが必要な状況です。(厚生労働省による変異株の対応はこちらも参照)
当院のPCR検査では、変異株についても検査ができることを確認しておりますが、検査されたい方は必ず事前にお電話ください。(変異株の遺伝子型まで調べるには数週間かかる見込みです)

Q: 濃厚接触者に自分があたるのか知りたい。濃厚接触者になったら検査してもらえますか?

A: 「濃厚接触者」とは、患者の感染可能期間内(発症日の2日前から、診断後に隔離などをされるまでの期間)に、接触した者の内、次の範囲に該当する人とされています。

  1. 患者と同居、あるいは長時間の接触(車内・航空機など)があった人
  2. 適切な感染防護なしに患者を診察、看護もしくは介護した人
  3. 患者の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い人
  4. その他、手で触れることの出来る距離(目安として1メートル)で、必要な感染予防策(マスクなど)なしで15分以上接触があった人(周辺の環境や接触の状況等個々の状況から患者の感染性を総合的に判断する)

 (国立感染症研究所「積極的疫学調査実施要領」より)

濃厚接触者の方も検査することはできますが、事前にお電話いただけますようお願いいたします。(発熱外来の時間帯に行っております)

Q: 新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、どれくらい割合で他の人に感染させていますか?

A: 新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、他の人に感染させているのは2割以下で、多くの人は他の人に感染させていないと考えられています。このため、感染防護なしに3密(密閉・密集・密接)の環境で多くの人と接するなどによって1人の感染者が何人もの人に感染させてしまうことがなければ、新型コロナウイルス感染症の流行を抑えることができます。

Q: 新型コロナウイルスの味覚嗅覚障害についてわかっていることはなんですか?

10の臨床試験の解析によると嗅覚障害・味覚障害はそれぞれ55%と44%となっています。いずれも初期症状として味覚嗅覚障害は少なく(8%ほど)、日数がすすむにつれ頻度が多くなる傾向にあります。

新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードによると、退院後1か月までの改善率は嗅覚障害60%、味覚障害84%とされています。(新型コロナウイルス診療の手引き 5.3版による)

あわせてこちらもどうぞ

【この記事を書いた人】 

一之江ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。

© 2021 宗仁会 ひまわり医院(内科・皮膚科)

関連記事

  1. 超音波検査(エコー検査)でわかること【原理・目的・費用】

  2. 新型コロナウイルス感染症の自宅療養について【準備・期間・家族…

  3. 冷え性と低体温は違いは?冷え性の原因と改善方法について 

  4. のどの痛みはコロナ?のどが痛い時の原因やケアについて解説

  5. 尿酸値を下げるには?尿酸値の原因や基準・食べ物について

  6. 女性で繰り返しやすい膀胱炎について【原因・症状・治療】

ピックアップ記事

新着記事 おすすめ記事
PAGE TOP