水いぼ(伝染性軟属腫)について【原因・治療・日常生活やプール】

(2021年9月10日に更新しました)

夏で子供のプールがはじまると話題になる疾患の1つが「水いぼ」ですよね。当ひまわり医院でも水いぼについての相談が多く寄せられます。

今回は、水いぼの原因や治療・日常生活の注意点について解説していきます。

水いぼの原因と症状は?

(水いぼ[伝染性軟属腫]の皮膚所見)

「水いぼ」という名称で親しまれていますが、正式名称は「伝染性軟属腫」といいます。水いぼは、伝染性軟属腫ウイルスというポックス ウイルスの一種による感染症です。集団生活や水遊び・タオルの共有・浴場などで肌と肌がこすれあうことで感染することが示唆されています。(保育所による感染対策ガイドライン 2018年による

14 〜 50 日くらいの潜伏期間を経て、免疫力が発達していない子供の体幹や四肢・デリケートゾーンや下腹部・太ももの内側などを中心に出現します。

直径2 〜 10 mm のドーム状の柔らかいブツブツができ、痛みやかゆみは通常はありませんが、掻いて炎症を起こすとかゆくなることがあります。水いぼは

  • 比較的おすと柔らかいこと
  • 1つ1つしっかりしていること
  • 表面はなめらかで光沢があること
  • 中央がおへそのようにくぼんでいること

などが特徴です。少ない時は2-3個の時もありますが、受診時には60個くらいに増えていることもあります。

健康な子どもでは、6ヵ月~3年で自然治癒するとされていますが、個人差が大きくその患児がいつ治るかを予測することは困難といわれています。 (参考:日本小児皮膚科学会HP「みずいぼ」

水いぼの治療は?

① トラコーマ鑷子(せっし)による摘出

一番確実な治療は1つ1つがウイルスの核になっているので、その部分をトラコーマ鑷子(せっし)とよばれる特殊な鑷子でつまんで摘出することです。摘出された水いぼの部分はもちろん摘出されるので再発することはありません。

ただし、小さい水いぼの場合摘出しきれない可能性があることや痛みを伴う治療であることがデメリットです。ですから、痛みについてよく話し合ってから治療を開始するようにしています。

また、麻酔のテープを事前に使ってから摘出する方法もあり、痛みをおさえながら摘出することができます。

テープによるアナフィラキシーショックなどの全身性のアレルギー反応の可能性もあることや、麻酔のテープが効果を発揮するのに時間がかかること、1回にとる個数が限られることなどがデメリットです。

② 冷凍療法・凍結療法

ウイルスを冷凍することで除去する方法です。直接摘出するよりも当然効果は低いですが、ウイルスに直接ダメージを与えるので、内服療法や経過観察よりも効果は高いといえます。

③ 塗り薬による治療(外用療法)

40%硝酸銀を用いる方法、サリチル酸ワセリンやヨードを用いる方法、「カンタリジン」や「イミキモド」などの塗り薬や、「紫雲膏」とよばれる漢方の軟膏を用いる方法など、さまざまな外用薬が模索されています。(一部保険適応ではありません)

しかし、いずれの外用薬も上記2つの方法よりも確実性は少ないとされています。(詳細はこちら

④ 内服薬

非常に補助的ですが「ヨクイニン」の内服療法を行うこともあります。「ヨクイニン」は、ハトムギの皮を除いた種で、古くから肌トラブルに用いられてきた生薬です。 消炎作用や体の水分バランスを整える作用があると言われ、肌あれや、いぼに効果があるとされています。

⑤ 経過観察

文字通り、増えてこないか様子をみる方法です。自然とよくなる子もいますので、様子を見るというのも選択肢にあげられるでしょう。しかし、逆に増えてきた場合、個数に応じて摘出するのも大変になってきますので、慎重にみる必要があります。

いずれの場合でもクリニックや医師によって大きく治療方針が変わる疾患でもあります。「早くとったほうが個数が少なくてすむ」と考えるクリニックや「自然とよくなる場合も多いのだから様子をみてもよいだろう」というクリニックなどさまざまです。

当院では、患者さんの背景や希望に寄り添っていきながら、患者さんと一緒に適切な治療を考えていく方針をとっています。

水いぼの日常生活の注意点やプールは?

よく質問される内容として、「水いぼがあるとプールに入ってはいけないのですか?」といわれることがあります。

これに関しては厚生労働省が日本皮膚科学会・日本小児皮膚科学会の統一見解をうけて、結論として「プールの水では感染しないので、プールに入っても構わない。タオル、浮輪、ビート板等を介して感染する場合もある。」としています。(保育所による感染対策ガイドライン 2018年による

あとは施設の基準にもよりますので、各施設に問い合わせていただくとよいでしょう。しかし、感染拡大には注意をしなくてはならない疾患です。具体的には、以下の点に特に気をつける必要があります。

  • 接触感染により感染するため、日常的に手洗いをすること
  • お風呂で肌と肌を接触したり、タオルを共有したいしないこと
  • プール後は皮膚表面のバリア機能が低下しやすいので、皮膚の保湿を保つこと
  • 伝染性軟属腫(水いぼ)を衣類、包帯、耐水性ばんそうこう等で覆い、他の子どもへの感染を防ぐこと

などです。

まとめ

いかがでしたか?水いぼについての重要なポイントを概説してみました。

水いぼは摘出するのが一番確実ですが、痛みも伴うので家族や本人の納得と理解が必要です。プールは衣類で保護するなど感染対策を行えば、水いぼがあってもプールに入ることができます。しかし、施設によっても基準がことなることもあり、事前に聞いておくとよいでしょう。

一之江駅前ひまわり医院では、水いぼの治療や日常生活の注意点について、個々の患者さんに合わせてさらに詳しくアドバイスしております。是非ご不安な点などありましたら、お気軽にお申し付けください。

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