妊婦さんは要注意!リンゴ病(伝染性紅斑)について【症状・発疹・原因】

  • 突然子供のほっぺたが真っ赤になった
  • 子供の足やうでにもモヤのように赤くなっている
  • 子供がのどが痛くなった後に、かゆがるようになった

このような場合は「リンゴ病(伝染性紅斑)」かもしれません。一之江駅前ひまわり医院では、皮膚科としてリンゴ病の診断やケアについても行っています。

リンゴ病(伝染性紅斑)とは?原因は?

リンゴ病の名称でよく知られていますが、正式名称は「伝染性紅斑」といいます。「伝染性」とは「人にうつる」ということ。紅斑とは「赤い発疹」のことです。

リンゴ病の原因は「ヒトパルボウイルスB19」による感染症

一般的なウイルス性感染症であり、明確な発生頻度はわかっていません。日本では1月から7月上旬にかけて増加し、9月ごろが最も少なくなります。

主に小児や学校に行く頃に好発します。感染力は強いですが、症状がでずに感染が成立している場合もあります。(不顕性感染)

後述しますが、パルボウイルスB19は血液疾患の患者さんがかかると急激な悪化をすることがあります。特に妊婦さんの感染では流産の危険があります。

こうしたことからリンゴ病(伝染性紅斑)は定点報告対象(5類感染症)であり、指定届出機関(全国約3,000カ所の小児科定点医療機関)は週ごとに保健所に届け出ている状況です。

たまに大きな流行を起こすことがあり、最近の大きな流行は最近の大きな流行な2001年、2007年、2011年、2015年となっています。

リンゴ病(伝染性紅斑)の症状や登園は?

日本皮膚科学会HPより転載)

10日~20日の潜伏期間を経たのち、両頬に境界がはっきりとした赤い発疹が出てきます。

まるで平手で打ったような赤い発疹(紅斑)のため、その様が非常に特徴的なことから「リンゴ病」と名付けられました。

その後、体や手足に網目状の発疹がでるようになります。「レース状皮疹」といって、これも非常に特徴的な発疹です。しかしこちらはなかなか見慣れないとわからないかもしれません。

通常これらの発疹は通常1週間程度で消えてしまいます。

頬に紅斑が出る1週間くらい前に微熱やのどの痛み・風邪のような症状が現れていることがあります。この時期の風邪症状は、他のウイルス感染症と見分けはつけきません。実はこの風邪の時期に人に感染させる可能性があります。皮フ症状がでる頃には感染力がないのが特徴です。

通常は合併症もなく、症状に合わせた治療をしていくことで、自然と軽快していきます。また一度感染すると終生免疫が得られるため、一般的に再感染はしないといわれています。

こうしたことから「発熱もなく全身状態が落ち着いていれば登園してもよい」とされています。ただしリンゴ病であると診断は必要ですので、クリニックや病院には受診するようにしましょう。

大人のリンゴ病の症状や発疹は?

大人もリンゴ病(パルボウイルス感染症)になることがあります。

発疹の症状よりも主な症状になるのが「関節痛」や「むくみ」・発熱です。子供ではほとんど見られませんが、大人では60%程度に現れます。典型的な症状の現れ方は次の通りです。

  1. 急な発熱と寒気がしてきます。インフルエンザにも似た症状で、この頃は見分けがつきません。
  2. 一度治まったあとに関節痛やむくみ・皮疹などが出現します。関節症状は手やひざ・脚の小さい関節に痛みが出ることが多く、関節リウマチと似た症状になります。関節痛で歩けなくなったり、指がむくんで曲げにくくなったりする。
  3. 数日間続いたのち、ほとんどは合併症を起こすことなく自然に回復する。

大人のリンゴ病の皮膚症状は、ほほの発疹が出ることはまれで、手足のレース状皮疹が中心です。発疹がでるのは1日~5日といわれていますが、精神的なストレスや気温の変化などで再発することがあります。(参照:国立感染症研究所「伝染性紅斑とは」

リンゴ病の感染に注意が必要な方は?

多くの方は合併症を起こすことなく、自然に回復するリンゴ病ですが、感染に注意が必要が方がいます。具体的な方は以下の通りです。

  • 妊娠している可能性のある方:妊婦さんがリンゴ病に感染した場合、胎盤を通して胎児がウイルス感染を起こし、体がむくみ「胎児水腫」と呼ばれる状態になることがあります。この場合、流産の可能性もあるので産婦人科で胎児の状態をチェックしていただいた方がよいでしょう。(リンゴ病により障害のある赤ちゃんが生まれることはないので安心してください)
  • 免疫が抑制されている方:ステロイドや免疫抑制剤を内服している方・臓器移植している方・HIV感染や白血病の方などがリンゴ病にかかると、骨髄機能不全や慢性的な貧血になることがあります。
  • 溶血性疾患を持つ方:リンゴ病の原因である「ヒトパルボウイルスB19」はヒトの赤血球に感染し、貧血になることがいわれています。しかし、もともと血液の寿命が短くなっている「溶血性貧血」を持っている方は、さらに赤血球に寿命が短くなり、貧血が重篤になることがあります。

上記の方は、重篤な症状になる可能性があります。そのため例えば「リンゴ病の可能性がある」とお子さんがいわれたら、

  • 発熱などの症状がある間は、人ごみの中にいかないようにする
  • 子供がリンゴ病にかかっている場合、マスクや手指などの感染対策を徹底する
  • 近くに妊婦さんがいたら早めに子供がリンゴ病にかかったことを教えてあげる

などをして、感染拡大の防止や重篤になりやすい方の早期発見に努める必要があります。

リンゴ病の治療や再発は?

前述の通り、リンゴ病は重篤になりやすい方以外は、特別な治療を必要とせず自然とよくなってきます。(そもそもリンゴ病に対する抗ウイルス薬もありません)

しかし(特に大人の場合)症状がひどい場合は、内科や皮膚科・整形外科などを受診され、症状に合わせた治療をうけることになります。リンゴ病は基本的に一度かかると再発はしないとされていますのでご安心ください。

リンゴ病についての「まとめ」

リンゴ病についてまとめると

  • 子供は発熱した後に「リンゴのような」ほほの赤みと手足のレース状皮疹がでる(発熱期に周りに感染させる)
  • 大人は発熱後の関節症状やむくみ・レース状皮疹として出る。中には歩けなくなることも。
  • 妊婦さんや免疫が抑えられている方・溶血性貧血の方は重篤になるため、リンゴ病にかかったら周囲への感染防止が大切。

ということになります。「リンゴ病は自然におさまるから(クリニックに行かなくても)大丈夫」などと過信せず、クリニックや病院に受診してきちんと診断をうけるようにしましょう。

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【この記事を書いた人】 
一之江駅前ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。

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